「それじゃ、今から寮と東堂君の部屋を案内するけど……、とりあえず今日は授業はでなくていいわ。どうせもうすぐ終わるから」
「あ、そうだ。部活見学はしていきたい?」
「いやいいです」
即答だった。
『東堂君の部屋』と聞いて、サハラ砂漠のど真ん中でオアシスを見つけた旅人の心境になったのは言うまでもないはず。
正直、もうこんなとこうんざりだ。
ぶっちゃけ今日あった唯一マシなことと言えば、副校長に感動をおぼえたことくらい。
あたしはもう、体力的にも精神的にもクタクタだった。
もはやグダグダだった。
「そ?じゃ行きましょうか」
なんだか今日一日、一番長く宮本といた気がする。
嫌でもわく親近感を誰かどうにかしてほしい。
あたしはこの時すでに決めていた。寮についたら即効寝ようと。
風呂とか夕飯とか明日の準備とか、んなのはどーでもいい。
(早くふかふかの布団に包まってぐっすり寝たい!)


