オトコノコの気持ち!








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夏じゃないから、まだ夜は冷える。だけどそろそろ日が短くなってくるだろう。


学校生活は、心なしか日に日に楽しくなってきたように思える。千都瀬みたいに可愛い奴や、倉本みたいに熱い奴と友達になれて、三雲先輩みたいな漢とも知り合えて。

悪いことばっかだったハズなのに………。

あっという間に夜。っていっても、携帯のディスプレイを見るとまだ9時半。




黒瀬が、早いほうがいいからどうしても今日バイト先を案内したいって言うから、あたしは千都瀬達に放課後誘われたのを断った。

こっちに来て初めての遊びだったのに、なんてうなだれたりはしない。

だって金がなきゃもともこもない。カラオケもボーリングも電車やバスに乗ることもプリ撮るのも買い物もできないんだから、我慢だ。


――ていうかあたしは、いつの間に千都瀬達を友達だって認めたのか。



(倉本に言われたから?)