「………梓」
「…………、って倉本お前、今どさくさに紛れて何つった?」
「…梓!今日から俺とお前は友達だろ!?そうだろ!?」
「…はぁ?」
心底呆れた顔をしてやったのに、倉本は顔を真っ赤にしてこっぱずかしい話を続ける。
「お前が倒れて、俺も千都瀬も今こうやってここにいるって事は、約束した訳でもないのに、あぁやって一緒に着替えたり、いつの間にか一緒に居たりしてるって事は、そういう事だろ!?」
「な、なに言っ」
「まだ会ったばっかだけど、お前の性格はよぉーくわかった!捻くれてるしビッチだし、すぐ怠いって言うし、でも俺はもうお前なんか怖くないど!!」
(ビビってんじゃん…、しまいに噛んでるし)
ちょっと泣きそう、
……なのは倉本だ。
あたしに同情したの?千都瀬はまだしも、倉本がこんなアツい奴だとは思わなかった。
(青春ドラマ?)
しみったれた暖かい空気が流れる中、こうゆうの苦手なあたしは戸惑うだけだった。
(ごめん倉本、お前の期待には応えられそうにない)
体がちょっと痒くなったけど、この感情をなんて言うのかあえて知らないフリをする。


