そうだ。 倉本は、「正真正銘」の男なんだ。 掴んだ腕の、細いわりに筋肉質な硬さと筋がそれをしらしめる。 「~~っ、いい加減に」 グッ と押したら、その反動とでもいうように更に近くなる倉本の胸板。 (っ、コイツ…!) ゴスッ 「ごぶっ」 「ワキガ!」 みぞおちにヒットしたらしい今の拳に、倉本は膝をついた。 悪いけど、てめーの急所じゃなかっただけ喜んでほしいくらいだ。 それを見て千都瀬は爆笑、黒瀬は手を止めることなく着替えを終えていた。