バサッ
「!!??」
声にならない悲鳴。
黒瀬が突然脱ぎ始めた。
それを筆頭に、倉本も、千都瀬までここで着替え始める。
「ちょっ……とは隠せよ!」
「は?」
黒瀬がベルトに手をかけたのを見て慌てて顔を背けた。
それを見て倉本がニヤリと笑い意地悪い顔で
「なんだぁ?お前まさか、「ソッチ」?」
(確かに今、見てくれは男だけど…!)
上半身裸体のまま、あたしの後ろにある自分の体育着袋に腕を延ばした。
「っ」
「ちょっとごめん」
耳元で囁くように言われ、覆いかぶさるような体勢をとられる。
「テメ…!」
(わざと!?)
「あぁ~、腕の長さが足りない~」
ガタ…
倉本の吐く息で、自分の髪が微かに揺れてるのがわかる。
熱くて、なんかくすぐったい。
目の前の胸板に、不本意にも顔が赤くなる。ダサイことこの上ない。
「やめ…」
真後ろに机、両側に腕、目の前に胸板なんて、逃げ場がない。
腕を掴んでグッと向こうに押してみても、少し揺らぐだけで変化がない。


