はい、深呼吸。

すー、はー、すー、はー…


あたしは国語教師室のまえで立ちどまって、深呼吸中。

昨日みたいなコトにならないように、ちゃんと気をつけなきゃっ。


――…コンコン


指の背でノックすると、なかからすぐに声が聞こえてきた。

「どうぞ」



…大丈夫。

あたしはもう一度だけ深く酸素を吸った。



「失礼します」

入ってすぐ扉を閉めた。

幼なじみって事実を、他の生徒に悟られないために…