ファーストキスは蜜の味。


恭兄は一瞬だけ瞳を細めた。

「ん…っぁ」

舌でノックするように突かれ、驚いて口をひらいた。

隙間をぬうように、あたたかい恭兄の舌が入ってくる。


(な、なにして…っ!!!!)


舌は奥にいるあたしを捕らえると、ゆっくりと絡めてきた。

優しく宥めるような口づけなのに、どこか強引さを感じさせる。


さっきよりも、力が抜ける…

「ん…んぁっ、ン」


体が熱い。

底のほうから込みあげる疼き。


あたしは、知らない感覚に涙をこらえた。