突然――… 恭兄は腰を屈めてあたしの肩に顔を埋めた。 「ひぁっ!!」 耳に生温かい、なにかがあたった。 くちゅっと耳元で鳴るそれは、耳の輪郭をていねいになぞる。 あったかくて、やわらかくて…… って、舐めてる…っ!? 「……んぅっ」 背筋にぞくりと電気が走る。 鳥肌がたつような感覚。 心臓が、ドキドキと忙しなく鳴る。 膝が、あたしをあざ笑うかのように立つことを拒んだ。 ガクガクして、自分の体を支えることができなかった。