「恭一はウタにだけ、甘いよ。 ――…お兄様の次にね」 「あはは、陽クンってば」 あたしを笑わせるために、陽クンはいつもフザけてくれる。 人の気持ちを一番に考えてくれる、自慢のお兄ちゃん。 でも――… やっぱそうだよね。 昔から恭兄は、外面がイイ。 あたしにしか、意地悪なことしないんだ。 それでも、今日みたいなことは… ――…怖かった。