ファーストキスは蜜の味。


――…パコンッッ!!!!!


「いたっっっ!!!!!」

ヒリヒリとおでこに鈍い感覚が残る。


なに?
なんなのっっ!?


目線を前に戻すと、真っ暗な壁があった。



「若林、だっけ?
僕の初授業でよそ見してるなんて、悲しいな」


「あ、……羽深、センセイ」

「あとで教師室にきなさい」



げっ…




クラスメイトはそんなあたしを笑っていた。



「ウタ、またよそ見かよ!!」

「だっせーぞ」

「うっさい!!!!!!」



あぁーーーーーーっ!!


あたしはさっきよりも盛大に、頭をかきむしった。