伸ばされた手は、頬をなでた。 泣いていた痕が、頬に残ってる。 さすがお兄様… あたしが泣いてたことなんて、バレバレなんだね。 陽クンは信号が青になると、すぐに手を離した。 運転する横顔をみながら、あたしは覚悟を決めてツバを飲みこんだ。 「陽クンは、恭兄のことどう思う?」 聞きかた間違えたかな……? 陽クンは、んー、ってちょっと悩んでしまった。