ファーストキスは蜜の味。


「――っぁ、ひぅっ」


あたしの胸を、もてあそぶ手。

眼鏡の向こう側は、楽しそうな外面の笑顔。


恭兄にとって、あたしはなんなの?

小学生のあのころから、あたしはオモチャのままなの?



あっ…
……マズイ。




――…ガタンッ


「あれ、ウタどうしたのぉ?」

「ごめん…っ
ちょっと化粧なおしてくる」


顔なんてあげられない。

心配そうなユウちゃんの顔がみえたけど…

いまはゴメン……


あたしは涙をこらえながら、駆け足でパーティールームをでていった。