ファーストキスは蜜の味。


――…んで
あたしはまんまと恭兄の策略にハマってしまった。



「ほら、若林も歌えよー」

「……いらないデス」

バイトが八時までだったから、あたしは終わってから直行できた。

さいわいにも、歓迎会をやっているというカラオケは、バイト先の近くだった。


だって…
気になるじゃん。


でもついたとき、恭兄がいってたような雰囲気はまったくなかった。



その瞬間――…
騙されたんだ、って気づいた。