あたしはイライラしているのに気づかれないよう、窓の外をみた。 こういうとき、ワ行でよかった、って思うよ。 なんせ窓ぎわの一番うしろだもんね。 授業中、窓の外をみてるのが一番スキ。 なにも考えなくてイイから、落ち着くんだ。 あたしはまったく授業を聴くことなく、ずぅっと外をみてた。 窓の外には、体育の授業の生徒がアリのように小さくみえた。 その中で、ひときわイキイキと走る一人の生徒。 仲良しの相手をみつけ、まえのめりになってのぞきこんだ。