「恭兄、暗いよ」 不機嫌になりながらも反抗する。 恭兄が隣にいる、ってことはわかるのに、顔がみえないせいで不安になる。 返事のないことが、さらに不安にさせる。 急に水族館にきて、優しくして。 違和感のある、恭兄の態度――… 「……彼女とまた喧嘩でもしたの?」 あたしは口にしてから、しまった、と思う。 すでに遅い。 「あぁ」 低い声が、暗闇に響いた。