「詠葉をおろせよ」 いつになく低くすごむ大地の声に、一瞬背筋が凍った。 その声に、恭兄はクククっとたのしそうに笑った。 「これは俺様のだ。 ちょっかいだすなよ、ボーズ」 みくだすようにいった、自信たっぷりな俺様的台詞。 俺様の“ペット”だ、って言葉が隠れているとも知らずに。 呆然とする大地をおいて、恭兄はあたしを抱えながらその場をあとにした。