ファーストキスは蜜の味。


「詠葉をおろせよ」

いつになく低くすごむ大地の声に、一瞬背筋が凍った。


その声に、恭兄はクククっとたのしそうに笑った。



「これは俺様のだ。
ちょっかいだすなよ、ボーズ」


みくだすようにいった、自信たっぷりな俺様的台詞。

俺様の“ペット”だ、って言葉が隠れているとも知らずに。




呆然とする大地をおいて、恭兄はあたしを抱えながらその場をあとにした。