「――っい、っ!!!!」 突然、腕に激痛が走る。 それが強い力で抱きよせられたのだと気づくには、時間がかかった。 大地の胸にいたあたしは、かたい肩に担がれるように抱かれた。 「悪いが、コイツは返してもらうよ」 「きょ…っ ――…恭兄っっ!!!?」 担いでいたのは、さきに帰ったはずの恭兄だった。 それに、返す、って……!! あたしはモノじゃないし!!!! 返品可能なお試し商品でもないっつーの!!!