えっと…… 落ち着け、あたし。 まず状況を整理しよう。 大地は仲良い男友達。 あたしはまだ恭兄のことが忘れられない。 大地はそんなあたしを好きだっていって、あたしには好きな人がいるってつたえた… ――…はずなんだけど……? 「最近詠葉が元気ないのが気になってさ…。 オレとつきあって、ゆっくり忘れていけばいいのに、って思ったんだ」 まっすぐにみる目が、本気なんだってすぐわかる。 「オレが忘れさせてあげるよ」 ふわりとやわらかい感触。 ――…あたしの体は、大地のあたたかさに包まれた。