ファーストキスは蜜の味。


お昼になって、よかったねってユウちゃんが笑ってくれた。

そのころにはあたしのお腹も本当に空いてきて、グゥッて元気に音が鳴った。

お弁当をカバンのなかでさぐる。



あれ……っ?


「お弁当忘れたかも」

いつもならお母さんお手製残り物弁当が入ってるはずなのに、今日は忘れたらしい。

「売店もうあいちゃってるし、はやくいかないと売り切れちゃうよ」

「いってくる!!」


ヤバイよぉ!!

売店いく気でいれば、チャイムと同時にダッシュできるのに、お昼が始まってもう十分はたってる。

もしかしたら売り切れちゃって、なにもナイとかありうる!?

あたしはもつれそうになる足を必死で食堂に向かわせた。