「バイト先の人が送ってくれただけだから、大丈夫だよ」
「本当?
なにもされてない?」
「うん、話ししただけ。
……家まで、送ってもらったし」
「……ウタ?」
気をゆるませると、ほんの少しだけ声のトーンが落ちた。
ヤバイヤバイ…っ
これ以上心配かけないようにしなきゃ。
「ヤバイお腹すいたぁ……」
あたしはバレないように、適当な台詞を口にした。
そんなあたしをみて、ユウちゃんと一樹はふきだした。
「まだ一時間目だよぉ?」
「仕方ねぇ、キャラメルを授けよう」
「あはは、ありがと」
だんだん慣れていかなきゃ。
恭兄から離れることと……
――…恭兄の“彼女”を、認めること。

