ファーストキスは蜜の味。


はぁぁーーー…



「若林ちゃん、笑顔忘れてるよ」

「あっ、オッス」

「あはは、ヘンな返事」

白石さんは仕入れた本を手にとって、部門わけをしていた。


少年マンガ、少女マンガ、文庫本、単行本、新書本。

少量だけど、売れ筋のモノを仕入れたらすぐに出荷が原則。

白石さんは手を休めることなく、レジ近くの机でわけている。



バイト中にもかかわらず、あたしはため息ばっかついてた。


昨日の赤点告知のおかげで、テスト返却されたときのショックは多少やわらいでた。


でもほんと……
――…わずかだよ。