「今日電話したのに、なんでシカトしたんだ?」 落ち着いたころにそういわれた。 ……そういえば着信があったんだっけ。 「ごめん…っ 急用ならメールくれると思ってたから」 本当は大地のメールで頭がいっぱいだった。 それに恭兄、彼女がどうの、って話してたし…… あんまりあいたくなかったのが本心だ。 恭兄は包みこむように頭をなでながら唇を落とした。 「男でもできた?」 「はっ? ――…なんで?」 ……そんなの聞いたって、どうするわけ?