ファーストキスは蜜の味。


野久保さんの話しによると、遠藤さんは小説家になるのが夢らしい。

でも印税だけでは食べていけないから、この古本屋でも働いているんだって。


ちゃんと自分の夢を持って、歩んでる。

大人だな、って思った。



「野久保さんのなりたいモノってなんですか?」

素朴な疑問をぶつけた。

この流れでいくと、聞いてもよさそうだったから。

野久保さんは手にしていた本を置くと、首にかかってるチェーンに手を添えた。


「結婚」

「へっ?」

いま、野久保さんの顔から似つかわしくない単語が聞こえたけど?


聞き返したけど、おなじ単語がまたくり返された。

ってか野久保さん、彼女いたんだ?