ふわっと風が吹いた。 あたたかい感触に一瞬目をまたたかせた。 なにが起こってるのか、反応の鈍い頭で考える。 目のまえには白いシャツ。 背中は固定されたように、腕がまわされている。 「泣かないで」 あたしは大地に抱きしめられてた。 「だい、ち…?」 「泣き顔――… みないために、ギューッてさせてね」 「……ん」 優しくされたら、涙がどんどんでちゃう。 大地はあたしの頭をゆっくりなでて、落ち着くまでなにも聞かずにずっとそばにいてくれた。