「げっっ!!!!!!!」



たぶん、誰もみたことがないくらいに引きつった顔をしていたかもしれない。



いつも明るく、誰とでもわけへだてなく接するあたし。

難があるとすれば、発達遅れの体と、年齢よりも幼くみせる顔つき。



そんなあたしの史上最悪の落胆の顔が、いままさに、だ。



声は教室中に反響し、あわてて両手で口をおおった。





少しクセっ毛でボサボサの黒髪に、フチの入った眼鏡。

パッとみてカッコイイわけでもなく、どちらかというと地味で冴えない感じ。


黒板の前に立っているヤツは、にこりと笑みを向けた。




その笑顔から視線をそらすと、いきおいで立ってしまった腰を椅子に落ち着かせた。