「だいぶ大きくなったな。 最初クラスでみたときは驚いた」 「…そう? あたしだって成長期真っ只中の女だからね」 「うん、お兄ちゃんビックリだよ」 口の端をあげて、笑みを向ける。 でもね… あたしは知ってるよ。 「恭兄、ウソ笑いしなくてイイよ。 ――…きしょい」 「ヒドイな」 あたしの知ってる、本当の恭兄は――… こんな優しい人じゃない。