恭兄はあたしの両手首をつかんで、おおいかぶさった。 天井がみえないくらい、恭兄の体で隠される。 「きょ、兄…っ?」 ちゅっと軽く額に唇がおろされた。 やわらかくてあたたかい感触に、胸が鳴った。 首、耳、頬、いろんなところに唇があたり、そのたびに音をたてる。 「恭兄…… あの…っンん」 黙れ、といわれてるように塞がれた口。 「ん……っ、きょ…ン」 「詠葉、集中しろ」 集中っていったって……