――…バチンッ 「いたっ!!」 オデコに衝撃が…… 唇をうけとめた恭兄は、なぜかあたしにデコピン。 その瞬間、一気に現実に戻っていった。 あたし…… いまなにした……っ!? 真っ赤になった顔で、涙がじんわり浮かびあがった。 恭兄をみると、壁のほうに体を向けてしまっている。 やっぱ、恭兄にとってあたしってなんでもないんだね。 「詠葉」 低くて、甘い声。 気づいてしまった。 あたしの、ココロ――…