ファーストキスは蜜の味。


じりじりと追いつめられたあたしは、いつのまにか恭兄の仕事机にあたった。

お尻が机にあたって、道を塞がれた。


――…怖い。


つかまれた腕は、顔をしかめるほど痛い。


目のまえが暗くなり、恭兄の顔が間近にせまった。

つぎにくる行動がわかって、ふいっと顔をそらした。


再び、チッと聴こえるくらいの舌打ち。

逃げたあたしを追って、あいている片手で髪をつかまれた。


「いたっ」

そう思ったのもつかの間――…


「っ、ん…っ」

口はあたりまえのように重なった。

そこに、優しさなんて欠片も感じさせなかった――…