ファーストキスは蜜の味。


いつもの意地悪な目つきとは違った、少し恐怖をあおるような無表情。

その目が怖くて、肩を揺らした。


「ペットのことを知るのに、なんで詠葉に許可とらなきゃいけないの?」


いや……
いってることとやってることが、人としてどうかと思いますが!!


なんてツッコむこともできないくらい、恭兄の瞳は怖い。

感情のない瞳が、あたしの心を透かした。


チッと舌打ちをして、余計に恐怖心をあおる。

「昨日は許してやったが――…
おこちゃま女子高生のクセに、ヤルことはヤッてんだな」

「……えっ?」


なんの、話し…?


あたしは、目のまえにいる男が怖いと、再確認させられた…