「おい、帰って来い」

あ、
またいつもみたく
自分の世界に
旅立っちゃった。

氷室に呼ばれて
我に戻った。

「今日俺、
 英語当たるんだよな~」

氷室がわざとらしく
あたしに言う。

「あっそ。
 だから何?」

あたしはわざと
冷たく突き放す。

「ノート見せて?」

顔の前で手を合わせ、
氷室はあたしに
頼んできた。