そして静かに夕日が沈むと、翔は口を開いた。
「ありがとう」
「あはは!こちらこそ♪…じゃ、もう暗くなっちゃうし、帰ろっか」
「うん」
「家…どっち?」
あたしは、人差し指を立てて横に左右に動かす。
それを見て翔も、左右に真っ直ぐ続く土手の一本道を、首を振りながら左右交代に見る。
「………わかんない」
「まぢ?!!」
「まぢ…」
その言葉にあたしはびっくりし過ぎて、口をぽかんと開けてしまった。
「……だって、まだここ来たばっかなんだもん…」
震える声でそう言った翔の目から、ぽろぽろと涙がこぼれる。
「あ゙ーあ゙ーあ゙ー!!!男のくせに泣くなってー!!」
あたしは半分困りながらそう言った。
「あ!!そうだ!!あたしの家来れば?そしたら、電話もあるし」
「いいの?」
「全然おっけぃ!そんで電話して、迎えに来てもらえばいーじゃん!ね?」
「…うん、ありがと!」
