「じゃあ頼むな。それが終わったら、帰っていいぞ。」
先生は、それだけ言って、教室から出ていった。
「…」
「じゃ、やろっか」
翔の一言にあたしはうなずく。
「…うん」
あたしと翔しかいない、ふたりだけの教室。
特に話す事もなく、ホッチキスのとめるパチパチという音だけが響いていた。
「ふぅ…終わったぁぁ」
そう言いながら、あたしは両手を組んで、上に真っ直ぐ伸ばした。
横目でチラっと黒板の上の時計を見た。
短い針が"5"をさしていた。
「じゃ…僕持ってくから、先帰っていいよ」
そう言いながら翔は、プリントの端をトントンと揃えた。
「…ありがと」
あたしは、床に置いてあったランドセルを背負って、教室を出た。
靴箱の所で、靴を履いていると、翔が来た。
「はぁ、はぁ…ごめん。あの、一緒に帰らない?」
「え?」
