――眩しい…。



修が瞼を開けると手術に使われる照明があった。



「あれ?ここはどこだ?」



修が体を起こして辺りを見渡す。



全く見覚えのない部屋だった。



真上の照明以外は光源がなく、奥は暗くてよく見えない。手近な所に三人がけのソファーが一脚。そこには毛布がかかってあった。一つの部屋というには広かった。



「ようやくお目覚めかい?」



どこかから声が聞こえた。渋い男の声。



そしてすぐに闇から現れた。



背は中くらいで痩せ型。所々に茶色が目立つ髪。あごひげをたくわえ、服装は薄いピンクのYシャツに地の色のスラックス。どこにでもいそうなサラリーマンのような感じだった。



「あなたは?」



男は返事がわりに名刺を修に渡した。



名前は朱谷優次(あけやゆうじ)。探偵。そして事務所の住所まで書かれてあった。



「あんたがいるここは俺の事務所だ。だからゆっくり休むといい」



そう言うと、優次は照明を落とす。そして部屋全体が明るくなった。窓から光が差し込み修は腕で光を遮った。



「しかし、驚いたよ。瀕死の重傷から生き返るんだ。奇跡と言っても過言じゃねえな。――なんかやってただろ?武術のような生易しいもんじゃないのを・・・」