「はい靴履いて。」 「~っ!!わかった!わかったから!」 なんだかんだで由輝は私の言うことはたいてい聞いてくれる。 上機嫌で鼻唄まで歌っちゃう私とは対照的に嫌な顔をしながらも付き合ってくれる由輝。 いつもの散歩道。 今日は雲が空を覆っていて星が見えない。 「ねえ由輝ー?」 「なに。」 「そろそろ一週間たつよね。由輝をここで拾ってから。」 「…そうだね。」 夜の空気を味わいながら出会った日を思い出す。一週間たった今でも私が由輝について知っていることは名前くらいだ。