天才少女の育て方

「しず・・・・・・。・・・・えっ?」

誰だ、アイツ?
新しい泊まり場の男か?

でも、隣のブランコに乗っていたのは、間違いなく雫だった。

そんな時、ヨクに今までに無い感情が芽生えた。

男と、すごく楽しそうに話している雫の笑顔を見て、胸が痛んだ。

「おーーーーーーーーい!聡子ちゃん、ヨクッ!ちょっと、ちょっとっ!」

向こうから、ヨクのお母さんが走ってくる。

「お母さん。どうしたの?」

「ちょっと、おばあちゃんの家に戻って!ビッグニュース、ビッグニュース!」

「ビッグ・・・・・・んー?」

そう言って、家に戻った。

二人が、ブランコの隣を通り過ぎると、女の子がボソッと呟いた。

「もう、テレビ局にまで伝わっちゃったんだ。」