大して抵抗もせず、雫はすんなり家の中に転がり込んだ。

「お母さん、ただいまー。」

「アレ?家の人いるの?」

「うん。そうだよ」

「ふぅん・・・・」

あたし・・・・怪しまれたりしないかしら。
そのとき・・・・


「・・・・!?」

「ヨク・・・その子、誰!?」
「げげっ!兄ちゃん!何だよ、何で兄ちゃんまでいるんだよおおおお!」

その声を聞きつけ、ドタバタと荒い足音も響いてくる

「何々!?ヨク、誰連れてきたのー?」

そう言って、顔を出したのはお母さん。

「あらーっ!可愛い子ね!名前は!?どこに住んでるの!?おいくつでー!?」

「ちょっと!一気に質問されちゃ、雫、困っちゃ・・・・・」
ん?待てよ?天才児なら、あのくらいの質問、どうてことないよな?

「名前は、池神 雫。住んでいるところは、神宮司グループのビルの88階。
 年は、知りません。」

"神宮司グループ"・・・・。
この言葉を口にした雫を見て、お母さんは、驚きを隠せない様子だった。

「し・・・・雫ちゃん・・・・。あなた・・・神宮司グループの子なの!?」

「はい。昨夜、もう嫌になって抜けだしてきました。」

「・・・あらまぁ、そうなの・・・・。」

ちょっと驚きすぎなんじゃないの?