昼休み、雫は、例のあの子を尾行した。
手には、盗聴器。

その子は、屋上へ上った。
そのあとを、雫もアリのように尾行する。

そして、屋上に繋がるドアを、その子が通過したら、雫は盗聴器を設置する。

見事成功。声はバッチリ入った。



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その日、無事に下校した雫は、家でその録音を聞いた。

「もしもし。社長ですか。はい、こちら通報部隊です。
 コード番号203番の疑いがある人物を発見しました。
 はい。・・・・はい。」

やっぱり・・・通報部隊だった。

「エマも、目撃したらしいのですが、俺が目撃した奴とエマが目撃した奴とでは、全然違うんですよ。名前も違う。顔とか髪型とヵ、そういうの・・・・・・
あ、はぃ。あぁ・・・・。では、また後ほど。」

録音は、ここまでだ。
奴らは完璧、「中村 絵理」まで疑っている。

もう、本当に本当に、ここには居られない。

別の居場所を探そう。

さよなら、ヨク。