草食系部下と私様上司②

「やぁ……て…」


俺の腕を力いっぱい叩いて抵抗していたけど、そのうち力も弱まっていった。


そっと唇を離すと、固く閉じていた彼女の目から涙が零れ落ちた。


俺は………


バカだ……


体を離すと、上川さんも体を起こして涙を拭い、俺を睨んだ。




パシ…ン




俺の左頬に、鈍い痛みがはしった。


「最低!!」


そう叫んで、部屋を走って出て行った。

俺も彼女の後を追った。


俺達しかいないと思っていたのに……。


気が付かなかった。

見られていた事を。