「和尚様はどうなされたのです。」

 いぶかる円心に、円修は重い口を開いた。

「実は・・・和尚様はご病気にかかられ、去年亡くなられた。」

「・・・」

 円心は動揺を隠せなかった。急いで本堂へ行くと、そこには天寿和尚の位牌が置かれていた。お堂には線香の匂いがたちこめている。

「和尚様!」

 円心はそう言ったきり、位牌の前にひれ伏してしまった。円心はあたりかまわず声をあげて泣いた。涙が後から後から流れ落ちた。