円心は、阿蘇の外輪山の一番高い峰へ向かっていた。あと一歩で崖の下へ落ちるというところまで来た時である。眼下には、阿蘇谷に横たわる雲海が開けていた。見渡す限り広がる雲海の前に、まるで自分だけが地上の住人であるように感じられた。
その時である。
「これは・・・」
それは円心が今まで一度として見たことがない不思議な光景だった。突如としていくつもの七色の火の玉が、地の底からわいてきたかと思うと、上空へ舞い上がる。やがて光は幾重にも重なり、まばゆいばかりの巨大な丸い玉へと集まっていく。そしてその山ほどもあろうかと思われる巨大な玉は、ゆっくりゆっくり空高く上っていく。あたりはゴーッという滝のような音が聞こえてくる。
その時である。
「これは・・・」
それは円心が今まで一度として見たことがない不思議な光景だった。突如としていくつもの七色の火の玉が、地の底からわいてきたかと思うと、上空へ舞い上がる。やがて光は幾重にも重なり、まばゆいばかりの巨大な丸い玉へと集まっていく。そしてその山ほどもあろうかと思われる巨大な玉は、ゆっくりゆっくり空高く上っていく。あたりはゴーッという滝のような音が聞こえてくる。

