「えんしん・・・えんしん・・・」
「?」
心地よい眠りの世界から誰かが連れ戻す声がした。円心は、夢心地のままうす目を開けた。
「えんしん・・・えんしん・・・」
「えっ?!」
確かに自分を呼ぶ声に気づいて、はっと目が覚めた。急いで半身を起こして、辺りを見回してみる。傍らには無雲が、くの字になって寝ている。
「無雲殿。」
呼んでみたが起きない。無雲は寝息を立てて寝ている。空耳だろうか。いや違う。この声はどこかで聞いたことがある。円心は声の主を思い出そうと記憶をたどるが出てこない。あれほど騒がしかった虫たちも、どこへ行ったのか静まり返っている。いつしか月は西の空へかたむいていた。もう一度横になって目を閉じたその時である。
「?」
心地よい眠りの世界から誰かが連れ戻す声がした。円心は、夢心地のままうす目を開けた。
「えんしん・・・えんしん・・・」
「えっ?!」
確かに自分を呼ぶ声に気づいて、はっと目が覚めた。急いで半身を起こして、辺りを見回してみる。傍らには無雲が、くの字になって寝ている。
「無雲殿。」
呼んでみたが起きない。無雲は寝息を立てて寝ている。空耳だろうか。いや違う。この声はどこかで聞いたことがある。円心は声の主を思い出そうと記憶をたどるが出てこない。あれほど騒がしかった虫たちも、どこへ行ったのか静まり返っている。いつしか月は西の空へかたむいていた。もう一度横になって目を閉じたその時である。

