次の日。主人の言葉は的中した。外は、一歩も歩けぬほど、雪がふぶいた。二人は、主人の言葉に甘えて、そこへ留まることにした。日中、作業場では民芸品づくりが始まった。家の主人は、のみと槌を手に持ち生木に向かった。こん、こん。こん、こん。やがて生木は、ふくろうらしき姿へ変わっていく。それを見ていた無雲は、唐突にこう言った。
「円心殿。何か彫ってみてはどうか。」
「いや、私には彫り物の心得などありませぬので。」
「円心殿。のみで彫るのではない。心の眼で彫るのだ。今の貴殿ならそれができようぞ。」
「円心殿。何か彫ってみてはどうか。」
「いや、私には彫り物の心得などありませぬので。」
「円心殿。のみで彫るのではない。心の眼で彫るのだ。今の貴殿ならそれができようぞ。」

