「真の世界のことですか。」
「そうじゃ。だが、今ようやく入り口にたどり着いたにすぎぬ。これからは行(ぎょう)が必要になってくるな。」
二人で寝食を共にして以来、旅につぐ旅で歩きづくめだったが、そう言えば、行らしい行は全くと言っていいほど、なかった。
「円心殿。貴殿の今生の役目は『修行』じゃよ。ただ、決して修行のための修行であってはならぬ。だからこうしてわしは、貴殿の心眼が開かんとするのを待っておった。」
「・・・」
円心には、無雲の言わんとすることがわかった。自分の中で何かが変わり始めようとしていた。
「そうじゃ。だが、今ようやく入り口にたどり着いたにすぎぬ。これからは行(ぎょう)が必要になってくるな。」
二人で寝食を共にして以来、旅につぐ旅で歩きづくめだったが、そう言えば、行らしい行は全くと言っていいほど、なかった。
「円心殿。貴殿の今生の役目は『修行』じゃよ。ただ、決して修行のための修行であってはならぬ。だからこうしてわしは、貴殿の心眼が開かんとするのを待っておった。」
「・・・」
円心には、無雲の言わんとすることがわかった。自分の中で何かが変わり始めようとしていた。

