それがどこなのかわからないが、どこかの神社の境内のように見える。夜の闇の中にいくつもの炎の輪がぐるぐると舞っている。それはこの世の魂の躍動のようにも見える。「自分」はそれを恍惚とした意識の中で見ている。自分であって自分でないような不思議な感覚。それは今まで円心が経験したことのないような感覚であった。
突然、無雲の笛の音が止まった。と同時に円心は、幻想の世界から現実に引き戻された。
「そろそろ心眼が開き始めたようじゃの。」
無雲はそう言って、薪木を一つ火の中へ放り込んだ。ぱちぱちと音を立てて、炎は勢いを増したようにみえる。
突然、無雲の笛の音が止まった。と同時に円心は、幻想の世界から現実に引き戻された。
「そろそろ心眼が開き始めたようじゃの。」
無雲はそう言って、薪木を一つ火の中へ放り込んだ。ぱちぱちと音を立てて、炎は勢いを増したようにみえる。

