結局の所、龍仁に頼らざるを得なかった。そして再び龍仁のオフィスへと向かった。龍仁は相変わらず多忙の身だったが、夕方に時間をとってくれた。

「やあ、待った?」

 例の骨董部屋に入ってきた龍仁はいつもの気さくさのままだった。

「一応円心がどういう人物なのかを調べてみたんです。」

 京介は、持参してきた数枚のコピーを応接セットのテーブルの上に広げながら言った。要所には緑の蛍光ペンがひかれてある。

「確かに円心は実在していました。でもそれとこの前の夜の出来事がどうしても結びつかないんです。」