「飯でも食いにいくか京介・・・おっと、その前にここにあるのどれか一つ持っていっていいよ。何がいいかなあ。」
龍仁の気前の良さは相変わらずだった。京介は、多忙な中を自分に会ってもらうだけでも恐縮だった。そう思いながらも思い切って言ってみた。
「七福神の小さいのが一つあればいいんですけど。」
京介は、自分の運は自分でつかみ取るものだと思っている。
古来、出雲大社や伊勢神宮をはじめとする由緒ある神社は、ある種霊的エネルギーに満ちていた。なぜか。訪れた人々が感謝の念を捧げに来たからである。ところが今では参拝が己の欲望を満たす機会に変わり、昔のパワーが失われたというのだ。
京介も正月に三社参りぐらいはする。でもこの話を聞いてからというもの、「何々がかないますように」と念ずる代わりに「今までありがとうございます」と念じることにしていた。
龍仁の気前の良さは相変わらずだった。京介は、多忙な中を自分に会ってもらうだけでも恐縮だった。そう思いながらも思い切って言ってみた。
「七福神の小さいのが一つあればいいんですけど。」
京介は、自分の運は自分でつかみ取るものだと思っている。
古来、出雲大社や伊勢神宮をはじめとする由緒ある神社は、ある種霊的エネルギーに満ちていた。なぜか。訪れた人々が感謝の念を捧げに来たからである。ところが今では参拝が己の欲望を満たす機会に変わり、昔のパワーが失われたというのだ。
京介も正月に三社参りぐらいはする。でもこの話を聞いてからというもの、「何々がかないますように」と念ずる代わりに「今までありがとうございます」と念じることにしていた。

