『これは・・・』
音色の一つ一つが京介の心の中に入り込むと、それはやがて遙か彼方の記憶へといざなっていった。
「?」
京介には、そこに映っているものが何なのかよく分からなかった。映画のようにも見えるがスクリーンのように平面ではない。空間に映っている3Dの映像はまるでそこに存在しているかのようである。かろうじてそれが映像であると分かるのは、それをソファーに座って見ている「自分」がいるからであった。 映像は、葉巻型をした物体を映し出していた。ゆっくりと夜空に垂直に上昇していく物体を下から見上げている。まばゆいばかりに神々しく光るその物体は、よく見るといくつもの幾何学的模様があった。暗い夜空の中その物体と比較する物はなにもなかったが、それは山ほどもあろうかと思えるほど巨大な物であると容易に想像できた。
その時だった。突然、目もくらむ閃光が走ったかと思うと物体はものすごい爆音とともに粉々に砕け散った。
『まりあ・・・』
『?』
『まりあ・・・まりあ・・・』
誰かが「自分」の名前を呼んでいる。
「京ちゃん。」
「ん?」
京介は由香里の声に現実に引き戻された。
音色の一つ一つが京介の心の中に入り込むと、それはやがて遙か彼方の記憶へといざなっていった。
「?」
京介には、そこに映っているものが何なのかよく分からなかった。映画のようにも見えるがスクリーンのように平面ではない。空間に映っている3Dの映像はまるでそこに存在しているかのようである。かろうじてそれが映像であると分かるのは、それをソファーに座って見ている「自分」がいるからであった。 映像は、葉巻型をした物体を映し出していた。ゆっくりと夜空に垂直に上昇していく物体を下から見上げている。まばゆいばかりに神々しく光るその物体は、よく見るといくつもの幾何学的模様があった。暗い夜空の中その物体と比較する物はなにもなかったが、それは山ほどもあろうかと思えるほど巨大な物であると容易に想像できた。
その時だった。突然、目もくらむ閃光が走ったかと思うと物体はものすごい爆音とともに粉々に砕け散った。
『まりあ・・・』
『?』
『まりあ・・・まりあ・・・』
誰かが「自分」の名前を呼んでいる。
「京ちゃん。」
「ん?」
京介は由香里の声に現実に引き戻された。

