二人は店を出てもと来た道を車では走っていた。真夜中過ぎになり、車の数もまばらになっている。
「人の縁というものは不思議なものだな。何百年も前に出会った人物と、こうしてまた出会いを繰り返しているわけだから。」
京介はそれとなく言ってみた。
「ええ。実は龍仁さんから教えてもらったんですけど、京介さんと私は遙か昔、同じ魂だったそうです。それが分化した。だからこそこうして引き合っているんだと思います。」
京介は吉村の言葉の意味がよく分かった。時々通る対向車線のヘッドライトがこの世に浮かんでは過ぎる魂の光のように感じられた。と、その時。

