どこをどう走っただろうか。気づいたときはさっきと全然違う通りに出ていた。京介は息を切らしながらも、急ぎ手をあげ、タクシーを止めた。
「はぁ、はぁ・・・・小、小金井まで。」
タクシーを降りると、重い足取りでアパートの二階にある自分の部屋へと向かった。
誰も迎えることのない1DKの一室は、入るとビール臭いにおいがした。ドアの鍵をかけ明かりをつけた。京介は、全身の力が抜け、靴を履いたまま玄関の前に仰向けに倒れ込んだ。頭の中は真っ白だった。天井の円い蛍光灯がチカチカ光っている。虚脱感に包まれ、しばらくそのままで点滅する明かりをじっと見ていた。
「・・・まてよ?」
京介はふと思い出したように立ち上がると、靴を脱ぎ、コンピュータの方へ向かった。モニターの上には、この前龍仁からもらった木彫りの黒い大黒天が置かれている。
「ひょっとして・・・」
京介は大事そうに大黒天を両手でつかんだ。そして深呼吸を一つすると、意を決したように台座の後ろを見た。
「はぁ、はぁ・・・・小、小金井まで。」
タクシーを降りると、重い足取りでアパートの二階にある自分の部屋へと向かった。
誰も迎えることのない1DKの一室は、入るとビール臭いにおいがした。ドアの鍵をかけ明かりをつけた。京介は、全身の力が抜け、靴を履いたまま玄関の前に仰向けに倒れ込んだ。頭の中は真っ白だった。天井の円い蛍光灯がチカチカ光っている。虚脱感に包まれ、しばらくそのままで点滅する明かりをじっと見ていた。
「・・・まてよ?」
京介はふと思い出したように立ち上がると、靴を脱ぎ、コンピュータの方へ向かった。モニターの上には、この前龍仁からもらった木彫りの黒い大黒天が置かれている。
「ひょっとして・・・」
京介は大事そうに大黒天を両手でつかんだ。そして深呼吸を一つすると、意を決したように台座の後ろを見た。

